2017年12月2日土曜日

2017年11月26日(日)13:00 明治安田生命J1リーグ第33節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~ヤット渋滞~

0.プレビュー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、横山知伸、福森晃斗、MF早坂良太、宮澤裕樹、荒野拓馬、石川直樹、兵藤慎剛、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK金山隼樹、MF前寛之、稲本潤一、キム ミンテ、小野伸二、FW都倉賢、菅大輝。前節試合中に負傷交代し、長期離脱となった河合に代わり、CB中央に増川を予想するメディアも一部あったが、順当に横山が中央、進藤が右でスタメン。サブのDF枠はキム ミンテが久々にメンバー入り。前節謎の欠場だった都倉は、噂通り鹿島戦での途中交代時の態度による懲罰的なメンバー外だったことが、野々村社長が出演するラジオにて明らかになった。もっとも既に整理はついたようで、帯同メンバーに名を連ねている。
 ガンバ大阪のスターティングメンバーは4-3-1-2、GK東口順昭、DFオ ジェソク、三浦弦太、今野泰幸、藤春廣輝、MF井手口陽介、初瀬亮、倉田秋、遠藤保仁、FW長沢駿、高木彰人。サブメンバーはGK藤ヶ谷陽介、DF野田裕喜、MF中原彰吾、井出遥也、泉澤仁、FW呉屋大翔、赤崎秀平。ファビオは右ハムストリング肉離れ、夏に加入したファン ウィジョは左ハムストリング筋損傷、アデミウソンは「慢性的な下腹部の痛み」で離脱中。中盤は堂安がヘーレンフェーンに期限付き移籍し、藤本は右膝前十字靭帯断裂で長期離脱中、今野を最終ラインに回していることもあり、中原は徐々に出場機会を掴んでいる。

1.前半

1.1 札幌のラッシュ~無邪気荒野の早すぎる交代

1)札幌のラッシュ


 ガンバボールでキックオフし、2分過ぎに荒野が接触プレーで痛んでピッチの外に出て、結局ピッチには戻れず、8分にガンバのCKの際に稲本が投入されるまで、札幌が1人少ない時間が5~6分続く…という経緯があった。しかしこの数分間も含めて序盤は札幌がボールを支配して敵陣に侵入する時間が続いた。
 序盤は両チームともシンプルにFWにボールを入れるプレーが目立った。札幌はとにかくジェイに、ガンバは長沢と高木にであるが、ガンバの守備が整わないうちに早めにに入れる札幌のパスの方が効果的で、札幌の枚数が揃ってからグラウンダーで中央縦貫を狙うガンバのパスは簡単に札幌の中盤が引っ掛け、カウンターの種となっていた

2)無邪気荒野の早すぎる交代・稲本の緊急発進


 10分過ぎからは札幌のラッシュが落ち着き、遅攻に特徴のあるガンバ・ボールを持つことに拘りがない札幌という本来の両者の姿が発揮され、ガンバが終始ボールを握って試合は進む。
 ガンバがボールを保持したときの初期配置は以下。中盤に横幅要員がおらずセントラルMFタイプが並ぶガンバは、SBが攻撃の横幅を作る役割を担うことは、試合を見ていなくても容易に想像がつく。しかし攻撃の開始時は、SBは低い位置にいて4バックが横に並ん状態からスタートし、初めからSBを上げておくのではなく、中盤で何らかゲームを作ってからSBを上げる、という志向が見て取れる。
 4-3-1-2なので、中盤底にはアンカーとして井手口が配されている。CB2枚とアンカーが3枚横並びになるのではなく、井手口は中盤底で舵取りをしたいようだが、札幌はここにジェイを置いて4枚のMFの前を保護する。ジェイが中央から動かないので、井手口はなかなかボールに触れない。となるとガンバはCB2枚に加え、中央にもう1枚欲しい。ということで、遠藤や倉田が頻繁に井手口の周辺に下がってくる。これは遠藤らのスタイルでもあるとは思うが、ジェイがしっかり井手口を消していることも影響している。
 開始1:30頃、荒野がまだピッチにいた時は、荒野が井手口に食いつくようなポジショニングと動きと見せていたが、稲本が投入されてからは稲本はジェイの後方をまず消していたことから、アンカーを見るのはジェイの仕事と整理していたのだと思う。
初期配置 ジェイが井手口を見る

1.2 飛び道具対決

1)飛び道具で前進と押し下げを図るガンバ


 最終ラインを横山がコントロールする札幌は、陣形をコンパクトに保って中盤のスペースを圧縮しようとする。センタープレイヤーが並ぶガンバの中盤から前線は、札幌のブロックを拡げる動きをしない限りは圧縮された札幌の中盤に閉じ込められる。更にアンカー井手口をジェイが見ているので、ここからの展開も難しい。
 という状況で、まずガンバはロングボールで札幌最終ラインを下げさせる。A代表にも継続的に呼ばれつつある三浦が、中央右寄りの位置から対角に長いボールを蹴り、高木や藤春がセカンドボールを狙う。
 筆者はここ数試合の札幌の好調の要因の一つに、ハイラインで守る時間を増やしたことがあると考えている。シーズン序盤~中盤にかけ、ゴール前を固める意識が高いあまり、最終ラインを低く設定して守ることで守備の安定と失点阻止を図る試合が多かったが、それだと必然と全体の陣形が下がることになるので、縦パス1本で一気にゴールに迎えるようなロングカウンターマンもいない、他に陣地回復手段もない札幌はジリ貧になってしまう。人に強い河合の重用など、幾つかの試行錯誤を経た末に、四方田監督はラインを高く保てる(が、鈍足でカバーリングも微妙な)横山を信じ、コンパクトな陣形で中盤を圧縮して守るやり方にシフトした結果、攻守ともにバランスが改善され、フィットネスが向上したジェイの大爆発もあり2節を残して残留を決めることに成功した、という具合である。
圧縮した陣形の斜め後ろに蹴られると

 話を戻すと、三浦のロングフィードが札幌のブロックの”斜め後方”に蹴られると、早坂や進藤が背走しての対応を迫られる。横山、福森、石川の3枚も同時に撤退する。中盤はセンターの稲本と宮澤がCB前のスペースを埋め、兵藤とチャナティップも序盤は下がる局面が多かった。
 という具合に、横山が高く設定したラインに基づくブロックはロングフィード1発で再構築を余儀なくされる。ここでの帰陣は札幌はまずまずだったが、帰陣したことでできたスペースを使ってガンバが徐々に札幌陣内に侵食し始める。
押し下げられる

2)返しの飛び道具


 最終的にはゴールを割られなければいいのだが、それでもロングボールで撤退させられてしまうと、中盤には井手口や遠藤、倉田に自由に持たせるスペースを与え、ゴール前を固めて耐えるだけのジリ貧サッカーに陥ってしまう。そのため押し下げられた札幌は何とかして陣地回復を図りたい。
 そのためのツールは言うまでもなくジェイ。ガンバが札幌陣内に侵入している時、札幌はジェイだけが最前線に残り、ガンバはジェイを三浦と今野の2枚で見る。味方がボールを回収しかけたタイミングでジェイはCBが守っていないエリアに動き出し、キープすることで兵藤やチャナティップがサポートする時間を作る。
 どちらかというと、ジェイは今野に近いエリアを狙っていたと思う。かつては地上戦で国内最強級の評価を受けていた”俺たちの今野”だが、ジェイとは10cm以上の身長差と、定量的に示せないが体の厚さも違う。ともかくCB2枚だけでジェイへのくさびのボールを潰すことができないので、札幌は陣地回復に幾度となく成功する。
スペースにジェイが走れば大体収まる

 10月以降、突如スーパージェイが降臨してからの札幌は、フィニッシュもそうだがそれ以上にボールの前進においてジェイの能力に依存している。昨シーズンアビスパ福岡が、ウェリントンを使って毎試合試みていたこととあまり変わらないが、”赤ワイン”ことジェイはウェリントン以上に1on1での駆け引きに長ける。また日本人DFでは太刀打ちできないウェイトなので、空中戦以上に地上戦、スタンディング状態での競り合いに強い。

1.3 ヤット渋滞

1)ボール周辺に人を送り込むガンバ


 札幌を押し込んで中盤に一定の空間を確保したガンバは、ボール周辺に選手を送り込む。ガンバの攻撃のパターンは、短い距離のパスで札幌の選手を食いつかせての裏狙い(バックパスで、前を向いた三浦や遠藤からの浮き球パス)か、札幌のマークが曖昧になったところでのスルーパスでの中央突破。サイドは左の藤春が高めの位置で攻撃的に振る舞い、右はオ ジェソクがバランスをとるので、藤春サイドからの縦突破も時折見せる。
 先述の通り、ウインガーがいないガンバは中央にボールがある局面で、選手も中央のレーンに密集しやすくなる。一応サイドにSBを残していても、隙を突いた藤春のオーバーラップを除けばサイドが使われることはなく、大半の攻撃は中央を縦貫する縦パスを狙う。このパターンは札幌にほぼ読まれていて、また人も厚く配しているので、縦パスはなかなか通らず、奪った後のジェイに当てるカウンターの起点にしばしばなる。
※キャプチャ画像で図解していましたが削除しました。

2)渋滞を放置すべきか


ガンバの中盤から前線は自由なポジショニングが許容されているようで、一応、中盤は初瀬が右、倉田が左、遠藤がトップ下という初期配置のようだが、ボール周辺に密集するように流動的にポジションを変える。下の28:22の局面では藤春と高木をも含め、計5人がサイドに集まっている。基本的に人を見る札幌の守備は、ボール周辺に人数が集まると、その全員を捕まえるべきか、何人か捨ててよいのか、個人個人では恐らく解を持っていると思うが、組織として判断が曖昧になる。結果、縦パスを狙うガンバに対して「門」を閉じれていないので、5人・4人でラインを組んでいるけれどもその間を通される。
※キャプチャ画像で図解していましたが削除しました。

1.4 前進守備に移行


 30分過ぎ頃から札幌は機を見て高い位置からの守備を見せる。

 恐らく宮澤に聞くよりも兵藤に聞いたほうがよかったと思う(兵藤にも聞いたのかもしれないが)。この守備の形は、全て兵藤が今野を監視してスイッチを入れるところから始まっている。藤春が上がり目であまり組み立てを助けないこともあり、ガンバは兵藤が今野に対して出ていくと、サイドから運べなくなる。そして三浦・今野にジェイと兵藤で枚数が揃うので、それまでのようにスローなパス回しが許容されなくなると、SBのオ ジェソクに逃がすのだが、ここはチャナティップを当てる。オ ジェソクが困ったところで、ようやく中央偏重のポジションにいた初瀬がサイドに流れて引き出したり、長澤や高木が落ちて受けようとするのだが、このパスはガンバとしては苦し紛れで出す側も受ける側も準備ができていないことは、パスの距離の長さが証明している(セットされた攻撃では、もっっと近い距離でパスを繋いでいる)。
兵藤がスイッチを入れる

 この試合、ガンバがボールを持つ時間が増えていくにつれて展開は非常にスローなものになっていて、その背景には、アップテンポのゲームに持ち込むよりも、遅攻でブロックを崩すことに自信があるガンバと、その自信がないためブロックが整う前に素早く攻めたい札幌、という両者の事情がある。札幌の攻撃が不発となり、攻守が切り替わってガンバがボールを運んでいる時、札幌は例によって福森の戻りが遅かったり、宮澤が攻撃参加していたりと隙もかなりあるのだが、カウンターをあまり重視していないガンバは福森や宮澤が戻る時間を与えてくれる。こうしたスローで体力を温存できる展開もあり、兵藤としては、状況を見てハイプレスに行ってもよいだろう、との判断があったのだと思う。

1.5 セカンドボール争奪戦


 前節清水戦の話題で、記事では触れなかったが、清水が「ジェイの競ったボールが自分たちのセンターバックとボランチの間に落ちるのが嫌だった」と話していたとする記事があった。文脈としては、CBのところではね返せないとボランチが下がって後ろ向きで処理することになり、セカンドを拾えたとしてもなかなか前進できなかった、というような話だったのだと思う。
 ガンバはジェイに対し、なるべく三浦が競るようにしていたが、三浦は180センチ台前半で跳躍力に優れるという、日本人CBに多いスペックなので、跳躍力こそあるもののジェイは特段苦にしない。よってゴールキックなど、ジェイへの放り込みはなかなかガンバゴール前から跳ね返ってこないのだが、三浦が競ったことで空くスペースのカバーは井手口が担う。井手口が中盤底からいなくなることで顕著になるのが、ガンバは3ボランチというより1ボランチで他の中盤3枚は攻撃的な選手ということもあり、井手口が不在にした中盤をカバーするだけの予測があまり効いていなかった。
 下の26:51は自陣からク ソンユンが放り込んだリスタートのボールで、リスタートのためガンバはもう少し陣形を整える時間があったと思うが、中盤底は井手口1枚に任せていて、セカンドボール争奪戦で完全に後れを取っている。
※キャプチャ画像で図解していましたが削除しました。

2.後半

2.1 とにかくジェイ

1)高まる依存


 選手交代なく後半がスタート。
 ガンバは仕切り直しから、やや前に出てくるが、相変わらず三浦と今野ではスペースを与えた状態でジェイを止められない。都倉も荒野もいない札幌は、アンカー役の稲本は荒野ほどの機動力がなくさほど前進できないし、浅いラインの裏を突く都倉の脅威もない。ガンバの攻撃が失敗すると、札幌の反撃はとにかくジェイしかないのだが、そのジェイが止められない。”スーパージェイ”が現れて以降、ジェイにすごく依存しているという印象はなかったが、都倉を欠いたこの試合では前線でジェイができることと、ほかの選手ができることが完全に分化していて、ジェイ抜きではこの戦い方は無理だろうな、という印象を強く受けた。

2)高い位置から監視しよう


 後半立ち上がり、ガンバの仕組みは大きく変わらない。チームとして攻撃的に振る舞おうとするとSBが横幅を担うために高い位置を取り、ビルドアップへの関与が薄くなるのは先述の通り。となるとCBと中盤に強めに当たると、前進を阻害できるということで、札幌は前半30分頃から行っていたやり方を継続する。ジェイと、兵藤もしくはチャナティップを対CB要員として確保し数的同数を作る。CBから次のパスは井手口かSBなので、シャドーとWBでSBを見て、稲本か宮澤が井手口を見る。すごく簡単な仕組みだが、これだけでガンバは前進が難しくなっていた。
 このファーストディフェンスを突破されると札幌は5-4-1に移行して守る。「4」の前、ジェイの脇で井手口や遠藤がボールを保持してライン突破を狙うが、ガンバはなかなか横幅を使わないので札幌の「4」が開かない。井手口や遠藤、倉田、今野が「4」の前で縦パスを出し入れできるエリアを探しているが、なかなか縦に通せないという様子が散見された。ガンバの後半ビッグチャンスとなったのは65分、オフサイドとなったがライン間で受ける遠藤からの高木へのスルーパス。ただこれも、札幌がネガトラで宮澤が中央にないというのが根本的な要因で、稲本と宮澤が揃っている状態では、横幅を使わないと2列目を突破できない。
 ↓の写真はスコアが動いた後だが、札幌の4枚は中央を閉めてこの距離感で守っている。ガンバはサイドにSBを置いているが、殆ど使ってこないのでチャナティップと兵働はかなり中央に寄ったポジションを取れる。仮にワイドに展開された場合も、札幌はWBが全力でスライドすればオ ジェソクは沈黙するし、藤春はどちらかというと裏を取りたいようで、ボールが足元に入った時の仕掛けは早坂で問題なく対処できていた。札幌の「4」がここまで近い距離感で守っているのは珍しい。というのは札幌の選手に問題があるというより、通常シャドーは相手のSBやビルドアップのために開いたCBもケアしなくてはならないため。
※キャプチャ画像で図解していましたが削除しました。

 60分と62分、ガンバがSBの位置からアクションを開始した攻撃があった。60分はそのままSBの位置にいたオ ジェソク、62分は遠藤が一度右サイドに落ちて、そこから高木も近い位置に落ちてきてワンツーを使って前進…というものだったが、札幌はこの位置を執拗に突くと対応が曖昧になる。対面のポジションを取ることが多いチャナティップは、シンプルな1on1なら問題がないが、見るべき対象が何人も登場すると、サイドで自分がどこまで食いついていいかわからないということに陥りがちである。

2.2 ボーイを大人にする


 68分、札幌は足を痛めた福森に変えて菅。石川が最終ラインにシフトし、菅が左WBとなる。
 菅が投入されてから立て続けにセットプレーを蹴る機会が4回。うち2回は精度の低いキックで、1回はCKからジェイに合ったが、どこかでファウルがあったとのことでノーカウント。4回目、ペナルティスポット付近を狙ったキックはジェイの頭に合う。この時中央では、ジェイがニアで合わせる動きから急停止してバックステップを踏んだことで、マーカーの三浦は完全に置き去りにされる。フリーのジェイが東口が目で追うしかないコースにヘッドで流し込み札幌が先制。「赤ワインのように年を取る上手くなる」という発言がビッグマウスではない、見事なプレーだった。

3.雑感


 日本代表では中澤と闘莉王の時代が終わって久しいが、日本人CBの平均的なスペック(185cmに満たない身長を跳躍力でカバーするタイプの選手が多い)だと、大陸のビッグマンに対応するのはかなり厳しいことをジェイが証明しているこの数試合。戦術的には、勝てないならセカンドボールの回収にもう少し気を払う必要がある。札幌はジェイが勝てる、収まるという信頼が、中盤の選手がポジションを上げて厚みのある攻撃を繰り出すことに繋がっていて、これはロジカルというよりも少し過信に近い印象も受けるのだが、ジェイが勝てる限りは全てがうまく回る。

2 件のコメント:

  1. アデミウソンやファビオ、ゴラッソを決められた藤本など能力の高い選手が離脱中、加えて試合に勝てていないガンバ。一方でコンサはジェイ無双状態で戦力面に関しては勝てるチャンスはあるのかなという感じでいましたがジェイ1人で実質ガンバのCB2人を相手にしてほぼイーブン。ジェイさまさまですね。

    また、ジェイが守備やらないというイメージは両チームにとって裏切られる格好になったのかな、と。貴ブログを読んで前プレで走り回るだけが守備じゃないと勉強になりました。ジェイ対策に追われることでビルドアップに障害を抱えることになってしまったという点ではアウェイ清水戦と同じ構図と言えます。何というバランスブレイカー。

    映像を見ていないので何とも言えないのですが、WBが引いて5バックになるとはいえサイドで2対1を作ってスライドしてきたWBの裏を衝くというのはセオリーであるはず。それができなかったのは中央で崩せる(崩してきた)こととガンバのメンツ的に難しかったことがあるのかな、と。コンアシでも稲本が「できる限り僕と裕樹の前で繋がせて縦パスをFWに入れさせないようなポジショニングを心がけた」と言っていたので手応えはあったんでしょうね。

    決勝ゴールはジェイが巧かったです。身体能力にものを言わせて…じゃないだけにジェイに抜けられるとコンサは尚のこと瀕死になりかねない。名古屋が怖い…。

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    1. >フラッ太さん
      守備に関して言うと、まず兵藤が非常に上手くコントロールしている印象を受けました。というのは5-4-1でずっと前線がジェイ1枚ならその脇からCBが運べばいいのですが、兵藤が状況を見てジェイの脇に出て5-2-3にしたり、撤退して5-4-1になってボランチ脇を埋めたりするのでジェイの周りを簡単に使わせなかったのは大きかったと思います。都倉も非常に守備に熱心で、味方ともコミュニケーションが取れるのですが、兵藤の方がよりゲームの流れを読んだり、バランスを取りつつ臨機応変に対応したりと貢献度が高いと思います。

      5-2-3状態になっている時のボランチ脇はどこのチームも狙っていて、ガンバも崩しのパターンはそこからのスルーパスをずっと狙っていたのですが、それは見え見えで中央を閉めてれば容易にブロックできていましたね。そうなると札幌の中盤4枚を拡げるために、横幅を使いたいのですがちょっとあのメンバーだと厳しかったと思いました。

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