2017年3月21日火曜日

2017年3月18日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第4節 北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島 ~前を向けば恐竜~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DFキム ミンテ、横山知伸、福森晃斗、MFマセード、宮澤裕樹、深井一希、田中雄大、金園英学、兵藤慎剛、FW都倉賢。サブメンバーはGK金山隼樹、永坂勇人、MF河合竜二、石井謙伍、荒野拓馬、FW内村圭宏、ヘイス。メンバー上は前節までと同様に3-5-2(3-1-4-2)でもいける構成だが、Wボランチで兵藤を前に出した3-4-2-1だった。ジュリーニョは前節痛めた左太もも裏の故障で欠場。水曜日に磐田で開催されたルヴァンカップ(2-0で勝利)で先発した永坂、荒野とヘイスがベンチ入り。逆に金園はこの試合のために主力扱いで、ルヴァンカップで使わなかったのかなと思わせるメンバーでもある。
 サンフレッチェ広島のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK林卓人、DF塩谷司、千葉和彦、水本裕貴、MFミキッチ、稲垣祥、青山敏弘、清水航平、フェリペ シウバ、柴﨑晃誠、FW工藤壮人。サブメンバーはGK廣永遼太郎、DF野上結貴、MF森島司、高橋壮也、FW皆川佑介、宮吉拓実、アンデルソン ロペス。前節退場処分を受けた丸谷が出場停止で、青山の相方には開幕2戦で先発した稲垣が戻ってきた。

0.広島の考え方


 広島の攻撃時4-1-5、守備時5-4-1となるやり方について、色々なサイト考察されているので特にここで下手な文章で書く必要はないと思うが、非常にザックリ言うと、攻撃時は①「後ろと前で数的優位を作る」、②「後ろでオープンな選手が運ぶ」、③「ボールが中盤に到達する(数的優位でなくなる)前に中盤省略気味に前線につける」④「前線で数的優位を活かしてシュートまでもっていく」というやり方を10年近く続けている。
中盤は捨て、後ろと前で数的優位を作る

 一昨年のクラブワールドカップのマゼンベなどが典型例だと思うが、一般的な守備陣形…前線の人数は1人か2人、中盤を厚く、というサッカーのセオリーである4-4-2や5-3-2で臨むと、前線と後方で広島に必ずフリーの選手を作られてしまう。
守備を剥がした状態から5トップへ

2017年3月16日木曜日

2017年3月11日(土)15:00 明治安田生命J1リーグ第3節 北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪 ~我慢を解くタイミング~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DFキム ミンテ、横山知伸、福森晃斗、MF石井謙伍、宮澤裕樹、深井一希、兵藤慎剛、田中雄大、FW都倉賢、ジュリーニョ。サブメンバーはGK金山隼樹、永坂勇人、MF河合竜二、マセード、荒野拓馬、FW内村圭宏、金園英学。開幕戦後に離脱していた宮澤と、荒野、前寛之が今週の練習から復帰。3センターの3-5-2において、中盤のあらゆる役割をこなせる荒野や前寛之が帰ってきたことは大きい。外国人枠の関係で割を食ったのはヘイス。マセードとの択一だったと思うが、コンディションがまだ不十分なのかもしれない。一方でこの試合から復帰の見込みだった菊地は、2時間前に発表された先発メンバーに名を連ねていたが、直前でキム ミンテに変更、サブに永坂が入った。
 セレッソ大阪のスターティングメンバーは4-2-3-1、GK丹野研太、DF松田陸、マテイ ヨニッチ、山下達也、丸橋祐介、MFソウザ、山口蛍、清武弘嗣、山村和也、柿谷曜一朗、杉本健勇。サブメンバーはGK圍謙太朗、DF茂庭照幸、田中裕介、MF関口訓充、清原翔平、秋山大地、FWリカルド サントス。キム ジンヒョンは腰痛の治療のため帰国。前の週の練習から試されていたという、前線に山村を置き、左に柿谷。開幕戦で水沼が負傷した右サイドは、前節は丸岡が起用されていたが、この試合がJリーグ復帰戦となる清武が先発起用された。調べたところ、清武は11/26のバレンシア戦で後半開始から出場した以来の公式戦。スペインではリーグ戦4試合1得点という結果に終わった。


2017年3月7日火曜日

2017年3月4日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第2節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 ~逃げ場が作れないチャンピオン~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、横山知伸、福森晃斗、MF石井謙伍、キム ミンテ、深井一希、兵藤慎剛、田中雄大、FW都倉賢、ジュリーニョ。サブメンバーはGK金山隼樹、DF永坂勇人、上原慎也、MF河合竜二、FWヘイス、内村圭宏、金園英学。前節仙台戦で菊地、宮澤が負傷、代役は進藤と兵藤。ヘイスが使える状態になったとのことで、パンチ力が足りない前線の切り札としてベンチ入り。ジュリーニョも開幕戦ではよく動けていた、宮澤が負傷した中盤でキム ミンテは欠かせない、となると、枠の関係でマセードを外さざるを得ない。今後も開幕戦のように、ウイングバックにあまり仕掛けを要求しないサッカーとなると、マセードには受難のシーズンになるかもしれない。
 横浜F・マリノスのスターティングメンバーは4-2-3-1、GK飯倉大樹、DF松原健、中澤佑二、ミロシュ デゲネク、新井一耀、MF喜田拓也、天野純、マルティノス、ダビド バブンスキー、齋藤学、FW富樫敬真。サブメンバーはGK杉本大地、MF遠藤渓太、扇原貴宏、中町公祐、前田直輝、FW伊藤翔、ウーゴ ヴィエイラ。開幕戦で負傷した金井に代わって左SBには本職CBの新井が入る。

0.共和制への移行


 オフに王様・中村俊輔放出でストーブリーグを賑わせたマリノスだが、開幕戦での戦いぶりや、モンバエルツ監督のインタビュー等を照らし合わせればその意図は明確だと思う。すなわち(サッカーの本質を考えると当たり前だが)攻守を一体として捉えたときに、自らは攻撃時も相手に隙を与えないことを重視した試合運びをし、逆に相手に隙ができたときにそこを素早く突く。そして大抵、隙ができやすいのは中央よりもサイド。ここにスピードがあり仕掛けられる選手を配し、手数をかけずにボールを送り込んでいく。
 となると典型的なボールプレイヤーで、ボールに触りたがり自由な動きを許容せざるを得ない中村俊輔はこうした志向に合っていない。「高額年俸や若返りといったフロントの思惑」という言葉だけでは説明できない、フットボール的な面でも妥当性のある判断だと思う。
 では札幌としてはどう戦えばいいかというと、開幕戦で攻撃のパンチ力が出せなかったからと言って、バランスを崩して前に出れば、それはモンバエルツの思うツボ。基本的には開幕戦と同様、我慢しつつセットプレー等に活路を見出す。ただマリノスが4-4-2で守備をするならば、2016シーズン同様にミスマッチを利用して、ある程度はマイボールの時間を作りたい。今のチームには前線にエメルソン、ダヴィのような単騎でボールを運べる選手がいない以上、得点するには重心を押し上げる何らかの仕掛けも必要になってくる。
(この項は試合前に書いています)

2017年3月1日水曜日

2017年2月25日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第1節 ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌 ~何も恐れず胸を張り戦え~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DF菊地直哉、横山知伸、福森晃斗、MFマセード、キム ミンテ、深井一希、宮澤裕樹、石井謙伍、FW都倉賢、ジュリーニョ。サブメンバーはGK金山隼樹、DF永坂勇人、田中雄大、MF河合竜二、兵藤慎剛、FW内村圭宏、上原慎也。マセード、ジュリーニョのブラジルコンビはこの週になって練習に完全合流、兵藤はそれよりも少し回復が遅れてベンチスタート。ただ彼らが戻った途端、今度は早坂、稲本が肉離れで離脱。ほぼ1年ぶりに3センターの3-5-2でスタートするのはそうした事情(トップ下で使いたい選手が軒並み離脱)もあったと思われる。
 ベガルタ仙台のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK関憲太郎、DF大岩一貴、平岡康裕、石川直樹、MF菅井直樹、富田晋伍、三田啓貴、永戸勝也、梁勇基、奥埜博亮、FW石原直樹。サブメンバーはGKシュミット ダニエル、DF蜂須賀孝治、増嶋竜也、MF藤村慶太、茂木駿佑、FW西村拓真、平山相太。新加入のFWクリスラン、金久保、中野が負傷で直前の練習に参加していないとの報道があった。
 歓喜のJ2優勝から早3ヶ月、札幌にとっては5年ぶりのJ1。開幕はアウェイ仙台。かつてJ2ではライバルとして張り合っていた?のも今は昔、8シーズン連続でJ1リーグに参加する大先輩となってしまった。個人的にはこの3ヶ月間、立て込んでいたこともあり、ヘイスがお母さんの手料理で豪快に太って合流したこと、非公開試合等が多くメンバーが読めないこと、キャンプ終盤にけが人が相次いだこと程度しか情報をフォローできていない。また今シーズンは実質4枠の外国籍選手の運用も興味深いものだと考えている。開幕戦は消去法でヘイスがメンバー外となったが、ブラジル人3人+韓国人2人のうち、ク ソンユンは不動として、残りは今後どのような起用法になるか。個人的には、攻撃面でもたらされるプレーの幅を考えるとマセードは安易に外してほしくないのだが。

2017年1月29日日曜日

北海道コンサドーレ札幌の2016シーズン(4) ~戦術:エメルソン→戦術:ウィル→戦術:ダヴィ→戦術:?~

1.チームは生き物


 「チームは生き物」…だいぶ前に聞いた、誰の言葉だったか忘れたが、長丁場のリーグ戦はまさにこの言葉の通り。7月にセレッソ、岡山、松本と続いた上位対決を1勝2分けで乗り切り、7月を終えた時点(26節、熊本地震の影響で1試合未消化)で、札幌は1試合消化が少ないながら2位に勝ち点差5、3位に勝ち点差8をつけて首位を快走していたが、幾つかの不安要素が露見されつつある状況だった。
7/31(第26節消化)時点での順位表

2017年1月15日日曜日

北海道コンサドーレ札幌の2016シーズン(3) ~先行逃げ切りスタイルの裏~

1.前書き

1.1 最終節金沢戦・二つのイデオロギー


 シーズン最終節、33,000人の観衆の前で勝利を狙わず、引き分けに持ち込んだ金沢戦の戦い方は大いに議論を呼んだ。主な主張は、「リスクを冒して負けたら入れ替え戦行きなんだから当然だよ」派vs「金払って久々にスタジアムに来た観客に見せる試合じゃないよ」派といったところだった。
 個人的には、最終節の記事で書いた通り、リスクを冒して負けてしまえば、野々村社長や四方田監督の言う通り、シーズンの努力が無になってしまう可能性がある以上、エンターテイメントのためにリスクを冒せ、というのは違うと思う。ただ、一部のサポーターは、プレーオフに回った松本山雅FCの戦いを見て、プレーオフに回らなくてよかった、という思いから考えを改めた人もいるようだが、そうした「いかにファン・サポーターを呼ぶか」という視点を持ち続けること自体も確かに重要である。
その状況で敢えてリスクを負ってコンサドーレはゴールに向かう必要は全くなくなりました。
なぜなら勝点1を積み重ねれば優勝&昇格だからです。
個人的にはこの価値(優勝&昇格)と天秤にかけてラスト5分にリスクを負うメリットが見つかりませんでした。
千葉戦の様な筋書きのないドラマもスポーツの醍醐味ですが、非情な現実を突きつけられるのもまたスポーツの一面です。

        ― 都倉賢 オフィシャルサイト「ラスト5分に思うこと」


1.2 (別の視点から)最終節・金沢戦の伏線

<割り切った試合運びの連続の末に掴んだチャンピオン>


 一方、こうした一種のイデオロギーの衝突的な話と別の視点から考えると、そもそも札幌は2016シーズン、戦術的な理由から、試合の最後までもたない戦い方をしていたと思う。具体的には、都倉は「ラスト5分」と言っているが、リードして70分頃を迎えれば意図的にゲームのペースを落とし、攻撃の頻度を少なくしたり、または相手が比較的、力のあるチームならば終盤に一方的に攻め込まれるような試合展開も何度か見られた。もっともこうした戦い方・試合展開は、いずれも札幌がリードしている、このままの状態で試合を終えれば勝ち点3を獲得できる状況だったため、一概には「金沢戦と同じ」だとは言えないが、90分を戦い切らずにゲームをクローズすること自体は今シーズン、何度も見てきた光景だった。


2017年1月3日火曜日

北海道コンサドーレ札幌の2016シーズン(2) ~窮地を乗り切った最高の発明~

1.形成されていく骨格

1.1 勝率を高めるボール保持メソッド(3-1ビルドアップ)の確立


 4月後半から5月にかけては6連勝を飾った札幌。1連勝目となったセレッソ大阪戦は、どちらに転んでもおかしくない試合展開だったが、続く徳島、金沢、水戸、讃岐、山口戦では(少なくとも我々の知っている札幌にしては)ある程度ボールを安定的に保持し、試合をコントロールすることができていたと思う。
 札幌が勝ちを重ねた時期は、競争意識を植え付けさせようとした四方田監督が試合ごとに選手起用を少しずつ入れ替えてはいたものの、コアとなる選手は徐々に固まっていった時期だった。
 特筆すべきは、開幕戦との相違点でもあるCB中央の増川、左CBの福森、ボランチの深井のスタメン定着。この3人に右DFの進藤を加えた「3バック+1」でダイヤモンド型を形成して行うビルドアップが定番となっていく。
 やっていること自体はシンプルかつベーシックで、3バックが横幅を取り(福森と進藤が開く)、深井が相手2トップの間にポジションを取る。中央の深井はオトリにして、主に進藤か福森のところからボールを前進させていくのだが、J2で2トップのシステムを採用しているチームの多く(特に下位チーム)は、3バックでの組み立てに対して2トップ脇を巧く守れない。そのため進藤と福森…特にドリブルでどんどん持ち上がれるスキルのある福森は、相手チームの雑さに気付くと、簡単に敵陣にボールを運んで攻撃機会を創出することができる。
アンカー(この時は稲本)が中央2トップの間
※画像は負け試合…町田戦
サイドのDF…福森を明けやすくなる ※画像は負け試合…町田戦
(この時は町田がうまくケアしている)

1.2 ボール保持からの狙い


 そしてファーストディフェンスを突破し、ボールを敵陣まで運んだ後の狙いとしては、恐らくだが中央からの崩しよりも、サイドからの仕掛けを重視していたと思われる。その根拠は、単にあまり中央突破による崩しや得点があまり見られなかったということと、小野を欠いたトップ下にジュリーニョを置いたこと。中央での崩しを意識するならば、トップ下なり2トップの一角に、狭いスペースでもプレーできる(もしくは、それを志向する)選手を置くのが一般的だと思うが、ジュリーニョは主にブロックの外で受けてドリブルで仕掛けたり、前線にFWとして張り付いたりと、まるで攻撃陣のフリーマンのような振る舞いが試合を重ねるごとに多くなる。
3-1ビルドアップからの狙い ※一応色は今年のユニの色から

1.3 ハマった迎撃守備


 また4月~5月の戦いで勝ち点を積み重ねた裏には、相手にボールを持たせた際の守備対応が確立されてきたことも要因として挙げられる。
 札幌の守備が最も安定していた時期のやり方を一言で評すれば、やはりFW(前3枚)の中央封鎖→サイドに追い込むプレーから始まっていて、FWがサボらずにタスクを遂行できれば、下の図のように後ろは釣り出されるなどして、最終的に守るべきゾーンにいない、ということが少なくなる。
FWが中央を切り、サイドに追い込むところからスイッチが入る

 守備に関して個人で言及するならば、ク ソンユンは別にして、都倉と進藤だろうか。
 都倉はFW陣の中で最も優秀なDFで、自慢の身体能力は攻撃面よりもむしろ守備面で発揮されたシーズンだったかもしれない。体力が残っている時の、相手SBに寄せる際の圧力は尋常ではなく、味方と連動しなくてもボールを単騎で奪ってカウンターに繋げることすらできていた。無論そこまで望まなくても、体力だけでなく勤勉さや、強い責任感といったパーソナリティも関係しているのか、体力が続く限りは守備をサボることは殆どなかった。

 進藤は恐らく、この守備戦術の恩恵を最も受けた選手。あらかじめ低めにラインを設定し、裏を狙われるリスクを矮小化したうえで、上の図や下の写真のようにFWとMFがコースを限定してくれれば、DF(ストッパー)としては前方向、楔のパスを潰すこと(=迎撃)を最優先に考えればよい。
 櫛引との競争に勝ち、開幕からしばらく進藤がレギュラーの座を守ったのは、若さゆえの怖いもの知らずな面もあったのか、"前方向の守備"にだけ関していえば櫛引よりも上だと四方田監督が判断したこともあったと思われる。実際進藤は序盤戦は1試合平均のインターせプト数がリーグでもトップクラスの数値を記録する等、四方田監督の期待に十分に応えていた。

FWがパスコースを限定させると迎撃守備がハマりやすくなる